全部、全てを表す表現

「all」と「every」は両方とも「全部」「全て」という意味で使われる単語です。 でも、「どういうときに「all」を使えばいいの?」また「「all」と「every」の使い分けができない」 さらに「全然できてません」と、自信満々の方(?)も・・・。 今回は、イメージと文法、両方からこの2つの単語の違いを見ていき、使い分けを完璧にしていきましょう。

まずはイメージをつかもう

まずは、2つの単語の違いを、イメージで見ていきましょう。

「all」は全体をひとまとめにしてみています。 あれもこれもそれもこれも「全部」を意味するのが「all」です。

I like all animals.
(動物なら全部すき)

この、ざくっとした感じですね。 猫でも象でもかまわないけど、何でもかんでもひっくるめて好き~って感じです。

それに対して「every」は、一人一人、一つ一つを意識して、「その全て」を表す単語です。

Every child has special personality.
(全ての子どもは、その子だけの特別な個性を持っている)

どうですか? 焦点は、子どもたち一人一人に当たっていて、その子供たちは一人残さずという感じです。

「all」の持つ「全部まとめてみんな」というイメージと大分違いますね。 これが、「every」の持つ語感です。

そうそう、学校の英語の時間、先生は授業の前に必ずこう言いました。

Hello everyone!
(みなさん、こんにちは)

教室にいる全員、一人一人にごあいさつって事ですね。 こんな風に、「everyone」「everyday」など、「every」の付く言葉には、「それぞれ一つ一つを意識しつつ全部」という印象がついています。

「all」の使い方

さらに「all」の使い方を詳しく見ていきましょう。 最初に大切なポイントをまとめると・・・

「all」を「全て」「全部」という意味で使う場合、形容詞と代名詞としての2つの使い方があります。

「文法用語で言われるとよくわからん」って方も大丈夫。 簡単な例文で見ていきましょう。

All kids like young and beautiful women.
(あらゆる子どもは、若くてきれいな女の人が好き)

ちなみにこの例文で言っていることは、私が子育ての中で確信した法則。 この例文の賛否は置いておいて、「all」と「kids」の関係に注目してください。 「all」の後に、すぐ「kids」が来ていますね。 この例文では、「all」は「kids」(名詞)を修飾しているので、「all」は形容詞として使われています。

次に、こちらの英文をみてください。

All of kids like young and beautiful women.
(子供たちはみんな、若くてきれいな女の人が好き)

「all」と「kids」の間に、「of」が入っていますね。 そのため、この「all」は形容詞ではなく、名詞と同格の代名詞として使われています。(あえて和訳すると「子どもたちの全ては」という意味でしょうか)

この「kids」のように数えられる名詞が後ろに来た場合、形容詞、代名詞どちらの使い方もできます。

ここまではいいでしょうか? ここから間違えやすい重要ポイントをお話しします。

「all」が代名詞を修飾する場合、語順や格に決まりがあります。 とにかく例文を見てみましょう。

All we were hungry.(×)
(私たちはみんなおなかが空いていた)
↑この文は間違いです。

正しい文章はこちら↓
We were all hungry.

となりますから、注意してくださいね。

また、語順についても注意してください。

動詞が、上の例文のようにbe動詞の場合、「all」はbe動詞の後ろに置きます。 一方、普通動詞の場合、「all」は普通動詞の前に置きます。

次は普通動詞を使った例文です。 「all」の位置の違いに注目してください。

They all went to the park to get Pokemones.
(かれらはみんな、ポケモンを捕まえにその公園に行った)

ここまでは、何かを修飾した「all」を見てきましたが、「all」そのもので「全てのもの」「全ての人」を表す代名詞としても使うこともできます。

All were hungry.
(全員が腹ペコだった)
All was a lie.
(全ては嘘だった)

ここで注目してほしいのが、動詞の形です。 上の文は、「were」と複数形になっているのに対し、下の文は「was」と単数形になっています。

このように「全ての人」というときには複数形になり、「全てのもの」というときには、単数形になります。 尚、この法則は「all」を単体で代名詞として使った場合のみです。 形容詞として「all」を使う場合は、全て複数形になりますので注意してください。

「every」の使い方

次は「every」です。 「all」に比べて「every」の使い方は簡単。 なんせ、「every」は形容詞としての使い方しかないから。 (「every」は「all」と違い代名詞としては使えないって事を覚えておいてください)

「all」が形容詞として使われた場合、「all」の後ろに来る名詞は複数形になりましたが、「every」では通常、単数形が後ろに続きます。

これは、「all」が「ぜ~んぶひっくるめて」なのに対し、「every」が「どの~も全部」と一つ一つ(一人一人)を意識した単語だからです。

Every girl here has a crush on him.
(ここにいる女の子はみんな、彼にのぼせ上っている)

修飾される名詞「girl」と動詞「has」が単数形になっているところに注目してください。 なお、「every」は不可算名詞には使えません。一つ一つそれぞれに焦点を当てられないので当然ですよね。 一方「all」は可算名詞、不可算名詞なんでもOKです。

スポンサード リンク

否定形で使ったときの訳し方

否定形で使われた場合

次は否定形で使われた場合の違いを見てみましょう。

最大の違いは「all」は部分否定、全否定どちらもありえるが、「every」は部分否定しかないという事です。

Not every student goes on to university.
(全ての学生が、大学に進学するわけじゃない)
=進学する者もいれば、しない者もいる。

このように「every」は部分否定として使われます。

それに対して、「all」は、部分否定と全否定、両方の意味があります。

I don’t like all these cakes.

この文は、「私はこのケーキが全部嫌いだ」とも読めるし、「私はこのケーキの全部が嫌いと言うわけではない」とも読めます(←ややこし~~~!!!)

もし、これが会話中なら、「文末を下り調子で言うと全否定」「上り調子で言うと部分否定」という区別がつきます。(←これは、慣れるしかありません)

でも、書かれたものだと……。 文脈で判断するしかないです。

まとめ

2つの違いに注目して、もう一度おさらいしてみましょう。

全体のイメージ
all ぜ~んぶひっくるめて
every 一つ一つ全て

品詞
all 代名詞、形容詞
every 形容詞のみ

修飾する語の形
all 基本的に複数形
every 基本的に単数形

不可算名詞を修飾できる?
all できる
every できない

否定文で使われたとき
all 全否定、部分否定、どちらの可能性もありえる。
every 部分否定になる。

スポンサード リンク

このページの先頭へ