原級比較 応用編

「as~as…」は「…と同じくらい~」だという意味で使われる超頻出構文です。(文法用語では「原級比較」と呼ばれる構文) 日常会話、ビジネス、そして英語関連の試験、あらゆるところで、必ず顔を出してきます。 とにかく便利でよく使われるため、使い道もいろいろ。

ただ、似たような慣用表現がたくさんあって、勘違いしたり、なんて事もしょっちゅう。 そこで一度きちんと整理して、「as~as」の構文をまとめてみました。

「as~as…can」(できるだけ~)

原級比較の基本編(「~と同じくらい熟練した配管工だ」)で、マリオを例文に使ってきたので、ここでもしつこく登場してもらいましょう。

またしてもクッパ大王にさらわれたピーチ姫を助けに向かうマリオ。 そんなマリオの心のセリフ。

Princess Peach! I’ll get there to rescue you as soon as I can!
(ピーチ姫! 出来うる限り早く助けに行きます!)

「…のできるだけ~」は「as~as…can」で表します。

似たような表現で「as~as possible」というのもあります。 こちらは「可能な限り~」という意味です。

You should get coins as much as possible.
(可能な限り、コインはとった方がいい)

「as good as ~」は「~と同じくらいよい」という意味じゃない

さらにマリオの心の叫びは続きます。

The world without you is as good as darkness!

この例文の意味は「あなたのいない世界は、暗闇と同じくらいよい!」じゃないですよ。 これ、要注意表現です。 知らないと、何の事だかわかりませんね。

「as good as ~」は「~同然だ」という意味で使います。 つまり上の例文は、以下のような味になります。

「あなたのいない世界は、暗闇同然だ!」

「not so much ~as…」(~というより、むしろ…)

マリオの旅は続きます。キノコとったり、お花とったり……(あれ? 何だか楽しそう?)

The journey was not so much hard as exciting.
(旅路は困難というより、むしろ刺激的だった)

「not so much ~as…」は、「~というより、むしろ…」の意味で使われます。 「~」や「…」には、形容詞だけでなく、名詞や節も入ります。

Mario is not so much plumber as adventurer.
(マリオは、配管工というより冒険家だ)

直訳すると、「…ほど、~じゃない」となります。 ただ、「マリオは冒険家ほど、配管工じゃない」だと、何の事だか分かりません。

なので、「~というより、むしろ…」のように訳します。 訳で覚えるより、英語の流れそのまま覚えてしまった方が覚えやすいです。

「as~as ever」(相変わらず)

さて、長い旅路の末、ついにクッパの元にたどり着いたマリオ。 戦いを挑みますが……。

King Bowser Koopa was as strong as ever.
(クッパ大王は相変わらず強かった)

「as~as ever」で、「相変わらず」という意味です。 尚「~as ever」のように、最初のasなしで使われるときもあります。

「not so much as~」(~さえしない)

強敵クッパに手も足も出ないマリオ。

Mario could not so much as hurt Koopa.
(マリオはクッパを傷つける事さえできませんでした)

「not so much as~」は「~さえしない」という意味です。 上の「not so much~as …(~というより、むしろ…)」と形が似ているので、混同しないように注意してください。

「as~as any …」(どんな…にも劣らず~)

クッパに押され気味のマリオ、しかしマリオは諦めない。

So, Mario is as tough as any guy.
(そう、マリオは、どんな奴にも劣らない屈強な男なのだ)

「as~as any …」は「どんな…にも劣らず~」と言う意味で使われます。 尚、「どんな…にも劣らず~」という事は、「誰(何)より」という事ですから、「一番」という意味でも使われます。 どっちの意味が適応されるかは、文脈次第です。

「as~as can be」(最高に)

ついに!激戦の末、マリオはクッパ大王を倒し、ピーチ姫を助け出します。 マリオに駆け寄るピーチ姫。

I’m as happy as can be!  You are as reliable as any guy!!
(私、最高に幸せよ! あなたって、最高に頼りになる人ね)←もりもり重ねてみました。 なんて言われるかもしれませんね。

「as~as can be」は、「最高に(の)~」を意味します。 上の例文で見てみると、「幸せになれる限りと同様に幸せ」って事なんですけど、要するに、「望みうる限りで一番」って事です。

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「as good as it gets」は2つの意味がある

「as good as it gets」(「最高」または「諦め」)

ピーチ姫から感謝されたマリオ。感激の瞬間です。

I’ll never forget this time. It’s as good as it gets.
(僕はこの時を永遠に忘れない。最高の瞬間だ!)

「as good as it gets」は、「それがなり得るのと同じくらい」という意味で、つまり「最高」って事です。 この「get」は「得る」という意味ではなく「成る」という意味です。

ただ、この構文は使い方にちょっと注意が必要です。 上の例文や「as ~ as can be」のように、単純に「最高!」って言ってるわけじゃない場合もあります。 例えば、こんな状況です。

ルイージから見ると、二人で力を合わせてきたのに、ピーチ姫はマリオばかりに目がいっていてつまんない。けど、二人の幸せのために、ぐっとこらえます。

This is not the ending that I expected, but this is as good as it gets.
(これは、僕が望んでいた結末ではない。でも、可能な限りで最善のものだ=もはや、これ以上の結末は望めない)

こんな風に、「諦め」の意味を込めて使う場合もあります。 「最高(perfect)」か「最善(つまりgive up)」かは、文脈次第ですので注意してください。

最後にちょっと話はそれますが、この表現「As good as it gets」がそのままタイトルになった映画をご存知でしょうか?日本でもヒットした『恋愛小説家』です。邦題、全然ちがうやーん!(私は、割とこういう邦題が全然違うの好きですが・・・)

まとめ

ふぅ、たくさんあって、大変でしたね~。 (というより、私は、例文をマリオで作るのがが大変でした。自分でした事だけど、なぜそこまでマリオ……) マリオじゃなくてもいいんです。自分の大好きなもので例文を作って覚えてしまう。これが、英文を自分のものにしていくコツだと思ってます。

「as~as」を使った8個の構文を一覧にしました。 紛らわしいものを順に並べてありますので、違いを明確にしておきましょう。

「as~as … can」(…にできるだけ~)
「as~as can be」(最高に~)
「as~as any…」(どんな…にも劣らず~)(…の中で一番~)
「as good as it gets」(最高 or 諦め)
「as good as~」(~同然)
「not so much~as …」(~というより、むしろ…)
「not so much as~」(~さえしない)
「as~as ever」(相変わらず~)

以上です。 と言いつつ、最後にもう一丁、原級比較でよく使われる表現!

So much for today!
(今日はここまで)
「so much」は「~それだけ」の意味です。

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