よく使う原級比較について

中学生の英語の授業で、「比較級」を習いましたね? 「あぁ、比較級と、最上級あったな。語尾に[er]つけたり、[est]つけたりしたなぁ」 誰もが懐かしく思い出せるはずです。

ここで、比較級と最上級と同時に大事な表現を習っているはずなんです。 それが「原級比較」 どうですか? よーく思い出してみて下さい。 (もしかしたら、「原級比較」という言葉は使わなかったかもしれません。その場合はスイマセン)

思い出せましたか? そう、「as~as」で表現し、「~と同じくらい」を意味するあれです。 思い出せなかった方はもちろん、思い出せた方も、もう一度「原級比較」表現を復習してみましょう。 日常会話で頻出の、とっても便利な表現なんです。

原級比較の基本の作り方

まずは、「原級比較」を使った文の基本的な作り方を見ていきましょう。 ここで、比べるのに誰でも知ってそうな二人組がいるといいんですが……。 よし、マリオとルイージにしましょう。

Mario is brave.
(マリオは勇敢だ)
Luigi is also brave.
(ルイージもまた、勇敢だ)

この2つの文を、「原形比較」で表すとこうなります。

Luigi is as brave as Mario.
(ルイージはマリオと同じぐらい勇敢だ)

もちろん、マリオを主語にしていう事もできます。 作り方は見ての通り、とっても簡単です。 修飾要素である形容詞や副詞(ここでは形容詞)を、「as~as」で挟むだけ。 (もっと簡単に言うと、「同じくらい~だ」の「~」の部分を「as~as」で挟むだけ) 上の例文では、「同じくらい【勇敢】だ」なので、[brave]が挟まれています。

今度は副詞の例文も見てみましょう。

Mario can swim fast.
(マリオは早く泳げる)
Luigi can swim fast, too.
(ルイージも早く泳げる)

この2つの文を原級比較で表すと

Luigi can swim as fast as Mario.
(ルイージは、マリオと同じくらい早く泳げる)

作り方は形容詞のときと同じ。 修飾要素の副詞を、「as~as」で挟むだけです。

原級比較の否定文

原級比較の否定文の作り方は、be動詞、一般動詞の否定文の作り方と同じです。 あと、「原級比較の否定文は2者を比べて差を表現する比較級に置き換えることもできる」ということも覚えておいてください。

Running is not as fast as riding on the bicycle.
(ランニングは自転車ほど早くない)
上の例文を比較級で置き換えると以下のようになります。
= Riding on the bicycle is faster than running.
(走るよりも自転車の方が早い)

Marry is not as friendly as her husband.
(=Marry's husband is friendlier than she is.)

(マリーは彼女の夫ほどフレンドリーではない)

Movies are not as interesting as books.
(=Books are more interesting than movies.)

(映画は本ほど面白くない)

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「as~as」表現をマスターしよう

では、ここから応用です。 応用とは言え、日常会話ではめっちゃよく使うし、使えると便利なんで(逆に使えないと困る!?)、しっかり確認していきましょう。

「as~as」の間に入るのは、単語一つだけじゃない

まず、問題からやってみましょう。

「マリオはルイージと同じくらいたくさんのコインを持っています」

これ、英訳してみましょう。できましたか?

Mario has as many coins as Luigi.

「as~as」の中に、「many coins」と、二つの単語が入っています。 でも、これも先ほど説明した法則に従うだけなんです。 上の文では「同じくらいたくさんのコイン」なので、たくさんのコイン=「many coins」を「as~as」で挟みます。

副詞も同じ原理です。

「マリオは、ルイージほどジャンプが得意じゃない。」
(ヒント:得意は「be good at ~ing」を使います。)

いいですか? 答えは

Mario is not as good at jumping as Luigi.

「同じくらい『ジャンプが得意』ではない」ですから、「good at jumping」を「as~as」で挟みます。

文法的に説明すると、最初の「as」の直後には、修飾表現である「形容詞や副詞」がきて、2個目の「as」の後には、「比較対象」が来ます。 この「直後」というのが大切ですので、見逃さないでください。

要注意!「as~as」の中で語順がチェンジする場合

まずは、下の文を英語にしてみましょう。

「ルイージは、マリオと同じくらい熟練した配管工だ」
(ヒント:配管工=「plumber」)
(注:スイマセン、ルイージの本業は存じません。確かマリオは配管工だったような)

はい、答えいきます。

Luigi is as expert a plumber as Mario.

もちろん、「expert」の代わりに、「skillful」、「proficient」などを使ってもOK。

大事なのは語順です。 この文が原級比較ではなく、「ルイージは熟練した配管工だ」という文だと、「Luigi is an expert plumber.」ですね。

マリオと比べて、「同じくらい熟練した配管工」ですから、「熟練した配管工」すなわち、「an expert plumber」の部分を「as ~as」で挟みます。

ですが、ここで思い出してください。

先ほど、「最初のasの直後には修飾要素である形容詞、副詞が入る」といいました。 なので、語順が変わります。

「as」 の直後に「expert(形容詞)」が先に来て、「a ~(名詞)」は後に来ます。 もう一度、答えを見て確認してみてください。 この語順は間違えやすいので、注意してください。

比較対象に使われる代名詞の格は?

さて、今度はルイージの目線になってみましょう。 ルイージはこう思ってます。

「俺は確かに、マリオより高く飛べる。だがうぬぼれてはいけない。そう、マリオは俺ほど滑りやすくない」(←はい、たぶんそんな事思ってないけど、そこはいいんですよ)

じゃ、いってみましょう。

「マリオは俺ほど滑りやすくない」を英語にしてみてください。
(ヒント:「~しやすい」は「easy to ~」)

Mario is not as easy to slip as me.

ここで、「あれ?」と思った方、結構いらっしゃるかもしれません。 2個目の「as」の後、つまり比較対象が入るところが「me」になっています。 「I」や、「I am」を入れた方も多いでしょう。 実は、どれも正解です。

文法的に一番正しいのは、「I am」でしょう。 ただ、今一番よく使われているのは「me」のように目的格を入れる形。 「I」も正解ですが、堅苦しい印象になるようで、日常あまり使われません。

まとめ

それでは「原級比較」の作り方や注意点をおさらいしましょう。

「as~as」を使って、「同じくらい~だ」という原形比較構文が作れる。

最初の「as」の直後は、形容詞、副詞など修飾表現がくる。
2個目の「as」の後は、比較対象が続く。
「as~as」の間に挟まれるのは、単語一つとは限らない。

aのついた名詞が「as~as」に挟まれるときには、語順に注意が必要。

2個目の「as」、すなわち比較対象の位置に代名詞が来た場合は、目的格で表されるときが多い。

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