集団を表す名詞や不定代名詞について

いきなりですが、以下の問題を解いてみましょう。

The police(  )on the scene.
(警察が、現場に来ている)

( )内に入るのは「be動詞」です。 あなたは何を入れましたか?

正解は「are」です。

「なんで!?「the」ってついてるし、「police」って語尾に-sもついてないし、正解は「is」ちゃうの?」って思った方、お気持ち、よーーーーっく分かります。分かりますとも でも、ブッブ―――なんです。

こんな風に、英語では単数形か複数形が紛らわしい名詞がいくつかあります。 今回は、そんな紛らわしい名詞を見ていきましょう。

集団を表す名詞

集団を表す名詞は、通常、単数形扱いになります。 じゃぁ、その『集団を表す名詞』ってどんなものかというと、以下のようなものがあります。

audience (聴衆)
class (クラス)
committee (委員会)
company (会社)
crowd (群衆)
family (家族)
nation (国家)
party (党)
team (チーム)

大体のイメージはつきますね。 集団ですから、たくさんの人で構成されているわけですが、それをまとめて「一かたまり」と見なし、単数形扱いになります。

My family loves music.
(私の家族は、音楽好き)

「loves」と、三単現の「-s」がついていますね。つまり、単数形として扱っているって事です。 ただ、これらの集合名詞が複数形扱いになる事もあります。

The audience were thrilled with her performance.
(聴衆は、彼女の演奏に沸きたった)

この例文で使われている「audience」は、「聴衆のあの人もこの人も、一人一人が」って事を意識した使い方です。そのため、集合名詞ですが、複数形扱いになり、動詞が「were」になっています。(注:名詞自体を「audeiences」とはしません)

尚、このように集合名詞を複数形扱いするのは、主にイギリス英語で、アメリカ英語ではあまりしないようです。 話は変わりますが、今、この文をマイクロソフトのWordで打っているのですが、「audience were」とすると、「そのつながりはアカン!」という緑の波線は引かれてます。Wordはアメリカ生まれですもんね。

さて、ここからがめっちゃ気を入れて読んでほしい注意ポイントです。 上で挙げた単語は「まぁ普通は単数形扱いだけど、複数形になるときもあるよね」ってものでしたが、これから紹介するものは「ほぼ間違いなく複数形扱いになる集合名詞」です。 いくつかあるのですが、絶対覚えておきたい大事なものは二つしかないので、しっかり覚えてください。

一つは上の例文に挙げた「police」
もう一つは「人々」を表す「people」

この二つは、絶対にチェックしておきましょう。 ただ例外として「国民」「民族」など特定の地域の人をまとめて言う場合は「a people」「peoples」となります。

The peoples of East Asia have black eyes and black hair.
(東アジアの民族は、黒い髪と黒い瞳を持っている)

単数扱いの不定代名詞

さて、ここでも問題やりましょう。 ( )の中に動詞を入れてください。

問1 ( )there anyone else in the room?
(他に誰か部屋の中にいる?)
問2 Nobody ( ) the case.
(その事件について、誰も知らない)

正解は、問1が「was」、問2が「knows」。 どちらも、動詞は単数形になります。

このように、単数扱いされる不定代名詞(具体的な人やものを指すのではなく、漠然と人やものを表す単語のこと)は結構ありますので、押さえておきましょう。

「everybody」「somebody」「anybody」「everyone」「someone」「anyone」
「everything」「something」「anything」
「nobody」「nothing」「no one」

the+形容詞

「the+形容詞」で「~な人々」を表します。 このときは、複数扱いになります。動詞の活用に注意してください。

The tender are strong in a heart.
(優しい人は、心に強さを秘めている)

複数形だからといってThe tendersと「-s」を付けるのは間違いです。

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「fish」や「Japanese」は単複同形

数えられない名詞が、複数形になるときもある

「fruit」「water」などは、数えられない名詞、つまり不可算名詞なのですが、時おり、複数形で表される事があります。

The restaurant offers a wide variety of waters.
(そのレストランでは、様々な種類の水を提供している)

この例文で使われている「water」は、その辺に流れている水ではなく、商品として、色々な種類の水を表しています。 こんな風に水を商品(種類)として扱うときには、一般的に可算名詞扱いになります。

単数形と複数形が同じ名詞

可算名詞なのだけど、単数形と複数形が同じ形という名詞もあります。 代表的なのが、「fish」「deer」「sheep」など、基本的に群れで生活している生き物です。

My son caught about thirty fish yesterday.
(うちの息子、昨日30匹くらい魚釣ってきたのよ)

複数形が単数形と同じの形なので「fishes」とはならないんです。

それから、私たち「Japanese(日本人)」も、単数、複数共に同じ形です。 ただ、同じ「~人」でも、アメリカ人には複数形があるんです。

There are many Americans in this town. (この町には、たくさんのアメリカ人が住んでいる)

まとめ

集団を表す名詞は、通常、単数扱い。 集団の一人一人と見た場合、複数形にするときもある(英式)

「police」「people」は常に複数形。 例外として、民族などを表す場合は「a people」「peoples」も使う

「the+形容詞」は「~な人々」で、常に複数扱い。

通常、不可算名詞でも、「種類」を意識して使うときには、可算名詞扱いになる。

単数形と複数形が同じの単語もある。(主に集団で暮らす生き物など) また「Japanese」も、単数形、複数形が同じ形。

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