言うを表す動詞について

「言う」「話す」を意味する英単語「speak」「talk」「say」「tell」の使い分けで悩むのは、英語学習者なら誰でも一度は通る道。 さぁ、今から完璧にしてしまいましょう。

尚、この4つの単語は「話す系=「speak」と「talk」」「言う系=「say」と「tell」」の二つに分けることができます。 「話す系=「speak」と「talk」」については話すを表す「speak」「talk」の違いをご覧ください。

このページでは、「言う系」の動詞「say」と「tell」の違いを明らかにしていきます。

いきなりですが問題!

「嘘を言う」は「tell a lie」それとも「say a lie」?

学校で丸暗記して分かる方も多いかもしれませんが、、選んだ理由も言えますか? もし、わからない人は続きをどうぞ。

直接話法と間接話法に注目しよう

「say」は「何を言ったのか」に直接焦点を当てる

「say」は、「何を言ったのか」に焦点があたります。

一番簡単な例文はこれです。

Say yes.

例えば、プロポーズに対して「yesと言って」と言ってるんですね。 このように、「say」の後には、「口に出した(出す)内容がそのまま入る」のが特徴です。 (ここ、大事なんで、後でもう一度掘り下げます)

ですから、上にあげた問題の「say a lie」は、ブッブ―(×)だと分かりますね。 「say a lie」は、「嘘を言う」ではなく、「lie(嘘)と言う」です。 この違い、もっとはっきりさせましょう。

Don’t tell a lie!
(嘘を言うな!)

Don’t say a lie!
(嘘だよ、なんて言わないでね!)
「懸賞が当たったよ」とか言われたときかな……?

同様に、「英語で言う」も「say English」にならないのが、分かりますよね。 「say English」は、「Englishと言う」です。 あえて「英語で~を言う」としたいなら、「say ~ in English」になります。

What do you say “ Taijukei “ in English?
(体重計は英語で何といいますか?)

さて、ここでちょっと大事な話になります。

「say」は「speak」「talk」「tell」「say」の4つの中で、唯一、人の言ったことを、そのまま伝える事ができる「動詞=直接話法を取る動詞」です。

My son said, “I want a new fishing pole for my birthday”.
うちも息子「誕生日には新しい釣竿が欲しい」って言ってたわ。

“ ”の中は息子のセリフがそのまま入ってます。 このように、言った言葉をそのまま伝える直接話法を取るのが「say」の特徴なんです。 「tell」との対比で大事なところなんで、しっかり覚えておいてくださいね。

さて、今見てきたように、「say」は言った言葉がそのまま続くのですが、そうではない場合もあります。その場合の「say」は目的語を見るとわかります。その目的語は、次の2パターンあります。

1.「it」「that」「so」「something」など漠然とした単語。
2.「name」「grace」など限られた単語。決まり文句的に使われる。

Who did say so?
「誰が”so”と言ったの?」ではありません。これは「だれがそう言ったの?」という意味です。

How do you say your name?
これも「お名前はどう読むのですか?」という決まり文句。

その他にも以下のような使い方があります。

Please say hallo to Jane!
(ジェーンによろしく!)←「ジェーンにこんにちはと言って!」じゃありませんよ。

Father took his place and began to say grace.
(お父さんは席について、食前のお祈りを始めた)
say grace=食前のお祈り

「say」のイメージ、つかめましたか? では、次は「tell」にいきましょう。

「tell」は「相手に伝える」

「tell」は、必ず相手の存在を意識しています。 そして、「話した内容」を、相手に伝える単語です。 上にあげた例文を思い出してください。

「tell a lie」は「lieと言う」じゃなく、「嘘を言う」です。 嘘そのものは、「来週、アイドルと結婚する」かもしれないし、「実は、東大卒なの」かもしれない。とにかく、何でもいいんですが、「嘘」を言ったんですね。 このように、直接言ったことではなく、内容を伝えるのが、「tell」の特徴です。

もう一つ、とっても重要な特徴があります。 それは、「他動詞として使ったとき、人を直接目的語に取る」 これは、今「speak」「talk」「tell」「say」の中で、「tell」だけです。 他の三つは「~に言う(話す)」と言いたいとき、前置詞「to」を必要としますが、「tell」は前置詞を必要としません。

He told her the truth.
(彼は彼女に、真実を告げた)

そして、「tell」は「that節」を伴い間接話法の動詞としても使われます。

My teacher told me that I was an actually good girl.
(先生は私に、私は本当はいい子なのだと言ってくれた)

「that」以下は、先生が言った「内容」です。先生が「私って本当はいい子なのよ」と言ったのでありませんね。このように、言った内容を表すのが「間接話法」です。 最後に上の例文(間接話法)を「直接話法」に変換するとどうなるかも見てみましょう。

My teacher said to me, “You are an actually good girl”.
(先生は私に「君は本当はいい子なんだよ」と言った)

この例文では先生の言ったセリフ「君は本当はいい子なんだよ」がそのまま使われています。 これが直接話法です。 また、「tell」ではなく、「say」が使われているのにも注目してください。

尚、直接話法と間接話法については直接話法から間接話法に変換するにて詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

まとめ

「言う系」動詞、「say」と「tell」の違い、お分かりいただけたでしょうか?

「say」:相手がいてもいなくても構わない。口に出した言葉、そのものが対象になる。直接話法を用いる事ができる唯一の動詞。

「tell」:相手がいて、その相手に何かを伝える。話した内容に焦点がある。間接話法が用いられる(直接話法には使えない)。唯一、人を直接、目的語に取れる。(他の動詞は前置詞が必要)

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