焦点を当てているところに注目する

「言う」「話す」を意味する英単語「speak」「talk」「tell」「say」の使い分けは、もう何度か耳にした事があるかもしれません。 でも、「やっぱり、いつも曖昧になっちゃう!」なんて方も多いのではありませんか? 特に、「この文章にはどの単語が適切か」という使い分けや、「どの単語が前置詞を取るのか、取るとしたらどんな前置詞を使うのか」あたりが迷うポイントではないでしょうか。

どの単語を使っていいか迷ってしまうのは、単語がそれぞれ持っているイメージを理解していないから。 そこで、「それぞれの核となるイメージ+具体的な使い方」をわかりやすく解説していきます。 「speak」「talk」「tell」「say」の使い方を完璧にしましょう。

「speak」「talk」「tell」「say」を二グループに分けよう!

まず、4つの単語を大きく二つのグループに分けちゃいます。 分けるポイントは、「話すという行為に焦点があるのか、それとも口に出した内容に焦点があるのか」です。 ここでは便宜上、「話す系」と「言う系」としておきます(この言葉を覚える必要、まったくありません)

「話す系」は「speak」と「talk」。
この二つは、「話す」という行為自体に焦点があります。

「言う系」は「tell」と「say」。
この二つは、発した言葉の内容に焦点があります。

まずは、例文を見てください。

Guess what! I talked with him at last!!
(聞いて!!私、ついに彼とお話しちゃったの!)

上の例文は、「話した」事が大事で、その内容はどうでもいいですよね。なので、「talk」を使っています。

Guess what! He said to me, “Would you go out with me next week?”
(聞いて!!彼が来週デートしようって言ってくれたの!)

この例文は上の例文と違い、「言った」内容(=デートしよう)が大切で、ここに焦点が当たってますよね。 なので、「say」を使っています。

これが「話す系」と「言う系」の違いです。 尚、このページでは「話す系」の「speak」と「talk」について解説していきます。 「言う系」の「tell」と「say」については嘘を言うは「say」「tell」どっちで解説しています

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相手がいるかどうかで使い分ける

「speak」は一方通行

「speak」は「話す」と訳される単語の中で、一番シンプルな単語です。 文字通り、「話す」というだけの意味しかありません。 それ以上でも以下でもない。

だから、「誰かに話す」「誰かと話す」という時には、前置詞「to」や「with」が必要ですし、「~について話す」という時には、前置詞「about」「of」「on」が必要です。 このとき、前置詞によって、ニュアンスが変わってきますが、もっとも広く使われるのは以下の2つです。

speak to~「~に話す、~に話しかける」
speak about~「~について話す」

この2つの使い方は以下の通りです。

It is hard for me to speak to a person of the first meeting.
(私は、初対面の人に話しかけるのが苦手です)

I have to speak to him about this problem.
(私は、今回の問題について、彼に話さなくてはならない)

上の例文を文法的に説明すると、どちらの「speak」も自動詞として働き。前置詞と共に句動詞を作り、他動詞的な役割を果たしています。 ただ、これは覚えなくても大丈夫。

「speak」は「話す」という単純な意味しかなく、「~に」とか「~について」という意味を含まないので、前置詞が必要だと理解しておいてください。

さて、「speak」は自動詞としての使い方しかないのかと言えば、そうではないんです。 他動詞としても使われます。

I can speak English.
(私は英語を話せます)

みなさんお馴染みの英文ですが、「~語を話す」という場合は、前置詞はいりません。 尚、他動詞として使われていますが、「speak」の持つイメージ、「ただシンプルに『話す』という意味を表す」にぴったり合っています。 「英語を誰に向かって話しているのか」「英語で何を話すのか」は関係ありません。 単に、英語を「話す」ということを表していることに注目してください。

また、話す内容(~について)に言及するのではなく、ただ「~を話す」という場合にも、「speak」は他動詞で使われます。 ちょっとイメージがつかみにくいので、例文をみてください。

I cannot believe that! Please speak the truth!
(そんな事信じられないわ!本当の事を話して頂戴!)

この例文は「本当の事についての具体的な内容」に言及しているのではなく、ただ「本当の事」を話してほしいということを表現してます。 この違い、イメージつかめましたか?

最後に、次に出てくる「talk」と比較するときに覚えておきたい事をお伝えします。

「speak」はある程度きちんとした内容のある事を「話す」ときに使われ、「talk」は、他愛のないおしゃべりにも使われます。 以下のことわざが、「speak」と「talk」の違いを如実に表しています。

A fool may talk, but a wise man speaks.

日本語はどちらも「話す」なので、うまく訳するのは難しいですが、「愚者はしゃべるが、賢者は語る」ってとこでしょうか。

「talk」は双方向。相手に向かって「話す」

「speak」は相手がいるかいないかは関係ありません。 それに対して、「talk」は「相手がいて、その相手と「話す」」のが、核となるイメージです。 上で出てきた例文をもう一度見てください。

I have to speak to him about this problem.

この例文の「speak」の部分を「talk」に変えてみます。

I have to talk to him about this problem.
(私はこの問題について、彼と話し合わなければならない)

この2つの例文のニュアンスの違いが分かりますか?

「speak」を使った上の例文では、どちらかというと「報告しなきゃならない」という雰囲気があるのに対し、「talk」を使った下の例文では、「彼と話し合う、相談しなきゃならない」という雰囲気があります。

なお、「talk」も「speak」と同様、自動詞として使われる事が多く、以下のように前置詞と組み合わせて使われるので覚えておいてください。

「talk to~」「talk with~」~と話す
「talk about」~について話す

「speak」同様、前置詞により、ちょっとずつニュアンスが異なってきます。 ですが、「talk」の持つ「相手がいて話す」という核の意味は変わりません。

尚、「talk」は句動詞(自動詞+前置詞)として使われる事が圧倒的に多いのですが、「~を話題にした」「~について論じた」などという場合、他動詞として使われます。

We talked a presidential election for a long time.
(我々は長い時間、大統領選について論じた)

また、「speak」同様、言語を目的語に取る事ができますが、圧倒的に「speak」が使われる事が多いです。

She talked French well.
(彼女は上手にフランス語で話した)

まとめ

「話す系=話すという行為に焦点がある」動詞である「speak」と「talk」の違いについてみてきました。 どちらも、「自動詞+前置詞」(「句動詞」)として使われる事が多いという点で、似ています。

大切なのは、核となるイメージです。

「speak」:相手がいてもいなくてもかまわない。きちんと内容のある話に用いられる事が多い。
「talk」:相手がいて、その相手と話す。他愛のないおしゃべりなどにも用いられる。

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