「by」と「until」、「in」と「after」と「later」の違い

時間を表す前置詞「~まで」「~後に」「~の間」は、日常生活で絶対に欠かせない表現の1つです。 でも「なぜかぱっとでてこない」「どれを使ったいいかがあいまい」となってませんか?

そこで、「~まで」「~後に」「~の間」を表す英語の前置詞の中でも特に紛らわしい「by」と「until」、「in」と「after」、「for」と「during」と「while」の違いを解説します。 「読めば頭の中がすっきり」するはずですよ。

「~まで」を表す前置詞「by」「until」の使い分け

ではさっそく、問題からいってみましょう。

( )に「まで」を表す前置詞を入れてください。
問1 「8時半まではダンスのレッスンがあります」
I have the lesson of the dance ( ) half past 8.
問2 「そのレポート、明日までに終わらせられる?」
Can you finish the report ( ) tomorrow?

問1、2は自信を持って答えられましたか? すぐに答えがわかった方は、ここを飛ばしてOK! でも、とりあえず「こんな感じだったな?」という方は、しっかり読んで自分のものにしちゃってくださいね。

まず、「~まで」を表す英語の前置詞「by」と「until」の違いを一言で言うと、「by」は期限を表し、「until」は継続を表します。

つまり、「~までに終える」というような場合は「by」を使います。
一方、「~まで(ずっと)~している」というような場合は「until」を使います。

問1は、「8時半までダンスのレッスンがある」と継続を表すので「until」。
問2は、「明日まで」と、期限を表すので「by」を使います。

「by」の例文

We will send you the report by Friday.
(我々はそのリポートを金曜日までにはお送りします)

I'll pick him up on the way and come to your place by noon.
(途中彼を拾って、昼までにはお宅に伺います)

You must finish your homework by Monday morning.
(君は月曜日の午前中までに宿題を終わらせなければならない)

「until」の例文

We watched movie until mid night.
(私達、夜中まで映画を観てたわ)

There will be so many kinds of evens on the beach until next week.
(来週まで、ビーチではいろんなイベントが開催されるだろう)

My son is having a special music lessen at school until the end of this month.
(今月末まで、学校で息子が特別音楽レッスンを受けています)

「~後に」を表す「in」「after」「later」の使い分け

では続けて、次の問題です。

( )に適切な前置詞を入れてください。
問3 「2週間後に会いましょう」
See you( )two weeks.
問4 「夕飯の後、少し散歩しない?」
How about taking a walk ( )dinner?

早速、問3、4の答えから言います。 問3には「in」、問4には「after」が入ります。 理解の鍵は「順番」にあります。

「after」は、「~が終わったら~」というように、順番を意識して使われます。
一方「in」は、順番ではなく、その時点を意識して使われます。

ちょっと分かりにくいですか? では例文を見てみましょう。

I’ll be back after 2 weeks.
この例文は、「2週間目以降に帰ります」という意味です。

I’ll be back in 2 weeks.
この例文は、「2週間後に帰ります」という意味です。(文脈により「2週間以内に帰ります」ともなります)

もう一度、上の問3を見てください。 「会いましょう」となっているので、ある特定の時点を表しています。 従って、「in」を使うのが適切です。 なお、問3の例文で気付いた方もいらっしゃるかも?

「See you in two weeks.」は、「Frozen(アナと雪の女王)」の中のセリフでした。 (もちろん翻訳では、もっとふさわしい訳がされてましたが・・・) こう言って旅立ったアナとエルサの両親は、憐れ海の底へ。約束は守られなかったのです。

それでは、問題4に戻りましょう。 当然、「after」が入ります。 「in」は、「dinner」のように出来事を伴って「~の後に」という使い方はしません。

いかがですか?  まだピンとこない方は、ダメ押し、これでどうだ!

I will be back in one hour. Please call me after 5 o’clock.
(1時間後に戻るから、5時以降に電話してね。)
「in」と「after」のニュアンスの違い、もう大丈夫ですね。

最後に「later」です。 「later」は単純な未来を表す「後で」という意味で使われています。 「いつとは言えないけど取りあえずまた後で」という風なニュアンスを表すのが「later」です。一方「after」は、具体的な期間や出来事を含む未来を表すときに使います。

I'll talk to you later.
(また後で話そう)

We will have ice cream later.
(後でアイスクリームを食べましょう)

Well…I'll think about it first and call you later.
(う~ん、なるほど。ちょっとよく考えてからまた連絡しますね~)

最後の例文は、セールスの勧誘などでやんわりと断るときに使える例文ですので、是非覚えておいてください(笑) このように「later」はその場を曖昧に繕いたいときにピッタリな表現です。

「~前に」を表す「ago」「before」の使い分け

「~後に」の次は「~前に」です 尚、「~前に」を表す「ago」「before」は前置詞ではなく副詞ですので注意しましょう。

「ago」は「現時点(現在)からさかのぼったある時点」を表し、基本的に過去形で使います。 一方、「before」は「過去のある時点からさかのぼったある時点」を表し、過去形/過去完了形で使います。

five years ago(現在から5年前)
five years before(過去のあるときから5年前)

「ago」の例文

I came to Australia ten years ago.
(私は10年前にオーストラリアに来ました)

I saw him just minute ago.
(ついさっき、彼に会ったわよ)

We were here three years ago.
(私達は3年前にここに居た)

「before」の例文

I drank my tea before I went to sleep.
(寝る前に紅茶を飲みました)

My husband came to London before I did.
(私の主人は私よりも先に(前に)ロンドンに来ました)

The building was constructed before I was born.
(その建物は私が産まれる前に建設されました)

「before」は単独で「以前に」という意味で使うこともできます。

I have seen that movie before.
(その映画は前に見たことがあります)

We have been to New York before.
(私達は以前ニューヨークへ行ったことがあります。

I've never seen him before.
(私はこれまで一度も彼に会ったことがありません。)

Have we met before?
(私達、前にお会いしたことがありましたっけ?)

スポンサード リンク

「during」「for」「while」について

「~の間」を表す「during」「for」「while」の使い分け

では、次の問題にいきましょう。

( )に「~の間」を表す前置詞を入れてください。
問5 I stayed grandma’s ( ) summer vacation.
(私は夏休みの間、おばあちゃんのうちにいました)
問6 The princess Aurora continued sleeping ( ) years.
(オーロラ姫は、何年もの間眠りつづけました)

さくっと分かりましたか? ヒントは( )の中には「during」または「for」のどちらかが入ります。

「during」は特定の期間に使われ、「for」は不特定の期間に使われます。

「during」と「for」の違いは明確ですから、もうお分かりですね。 問5には「during」、問6には「for」が入ります。

「for」の後には、問6のように漠然とした時間が入ります。 代表的なのが「for a while=しばらくの間」です。

なお、「during」は問5の例文のように、「~の間ずっと」と継続を表す事もできますし、「~の間に」という使い方もできます。

I barbecued with my family during summer vacation.
(私は夏休みの間に、家族とバーベキューをしました)

次は「while」です。 実は、この「while」も「~の間」を意味しますが、「for」や「during」とは、仲間じゃありません。 「for」と「during」は前置詞で、「while」は接続詞だからです。

前置詞は、名詞の前に置かれ、前置詞句(一つの意味のかたまり)をつくるもの
接続詞は、文と文をつなぐもの

ですから、「while」の後には必ず「文」が入ります。

My friends scribbled on me while I slept.
(寝ている間に、友だちが私に落書しやがった!!)

尚、従属節の主語が主節と一緒で、従属節の動詞がbe動詞だった場合は、従属節の主語とbe動詞が省略される事も多いです。 なんて書くとややこしいのですが、以下の例文で見てもらえれば理解できます。

I had fresh seafood a lot while I was in Hokkaido.
(この例文の従属節「I was」と主節「I had」の主語が同一人物なので、従属節「I was」は省略可。)
↓ ↓ ↓
I had fresh seafood a lot while in Hokkaido.

whileは、前置詞じゃなく接続詞。 覚えておいてくださいね。

まとめ

「~まで」
「by」=期限を表す
「until」=継続を表します

「~後に」
「after」=「~が終わったら~」というように、順番を意識して使われる。「~以降」など。
「in」=順番ではなく、その時点を意識して使われる。「~分後」など

「~の間」
「during」=特定の期間に使われる。継続でも、ある時点でもOK。
「for」=不特定の期間に使われる。
「while」=前置詞ではなく接続詞。従属節の前に置き、「~の間」を意味する。

スポンサード リンク

このページの先頭へ