「fit」と「match」の違い

「これ、~に合うね」などというときに使う「合う」。 英語では、目的や用途によって、単語を使い分けます。 特に、日常でよく使われ、使い分けが大切な3つの単語である「fit」「match」「suit」を中心に、「合う」という英語表現を見ていきましょう。

「fit」は「適する」という意味の「合う」

「fit」は、日本語でも「フィットする」なんて言い方で使われますよね。 日本語になっているフィットするは、「ぴったりと合う」という感じでしょうか。 割と、英語のニュアンスを捉えているなぁと思います。

「fit」は、「何かに適する」という意味の「合う」です。 例えば、洋服だったら「サイズが合う」、もしくは「用途に合う」というときに使われます。

This sweater fits me very well.
(このセーターは私にぴったりです)
この例文は、「サイズがぴったり合ってる」という意味なので「fit」を使います。

ただ「そのセーター、君にぴったりだね!」つまり「似合ってる!」と言いたいときには、以下のようには言いません。

The sweater fits you very well!(×)

尚、この例文のように言われたら「サイズがぴったりだね!」という意味なので、言われた人は、何にも嬉しくありません。

じゃぁ、「似合ってる」はなんていうのか? それは、下の「suit」のところで説明します。

まずは、もう少し、「fit」を見ていきます。

サイズや形が合うときに使えるのが「fit」。 実は着る物じゃなくても、例えば、以下のようなときにも使えます。

The key doesn’t fit this keyhole.
(その鍵は、この鍵穴に合わないよ)

また、こんなときにも「fit」が使えます。

The dress doesn’t fit a ceremony tonight.
(そのドレス、今夜の式典には合わないわ)

この例文は、サイズのことを言っているのではありません。 「目的に適する」という意味の「合う」です。 上の例文は「ふさわしくない」という意味です。

尚、「目的に適する」という意味での「fit」は物以外にも使えます。 例えば、人が仕事に適しているときなどにも使えます。

He fits a kindergarten teacher.
(彼は、幼稚園の先生にぴったりだ)

ただ、「誰々は~(仕事や職業)にぴったりだ」という場合は、以下のように表現することも多いです
He is just right for a kindergarten teacher.
(上の例文と同じ意味)

「match」は「~と調和する」という意味の「合う」

「match」は、上で見た「fit」に比べると、感性的な「合う」の表現です。 「調和する」という意味の「合う」です。

Red sweaters match a gray skirt well, but don’t match a brown skirt.
(赤いセーターは、グレイのスカートとよく合うけど、茶色のスカートには合わない)

実際、私はこう思ってるんですが、世の中には、茶色と赤を組み合わせてる人って結構いますよね。 尚、感性、好みはサイズや形のように、客観的に図れるものじゃないです。 そんなときには「match」の出番です。 さて、この「match」は「物と物」に使われ、「人と物」には使われないので注意してください。

The sunglasses match you.(×)
(そのサングラス、あなたに似合うね)

尚、「match…to~」で「~に…を合わせる」という意味になり、特に女子が使える表現なので覚えておくといいです。

Look! I matched a bag to shoes.
(見て!靴にバッグを合わせてみたの)

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「suit」はどんなときに使うのか

「suit」は「適する、満足させる」という意味の「合う、似合う」

「suit」は「fit」と重複しているところもあります。 例えば「仕事が~に合う」「服などが~にふさわしい」など、「適している」という意味で使われる時ですね。 例えば、上の「fit」のところで出てきた例文(The dress doesn’t fit a ceremony tonight.)の「fit」は「suit」に変えてもOKです。

また、以下のような場合も「suit」「fit」両方使えます。

I like Kyoto, but the climate dose not suit me.
(私は京都が好きだけど、気候は合わない)

一方、「suit」「fit」で置き換えできない場合もあります。

「fit」を洋服などに使った場合、「形やサイズが適合する」という意味の「合う」になるということを上で説明しましたが「suit」が使われた場合、同じ「合う」でも「色や柄が合う」あるいは「似合う」という意味で使われます。

なので「このセーター、あなたに似合ってるね」と言いたいとき、「fit」ではなく「suit」がぴったりなのです。

The sweater suits you very well!
(そのセーター、あなたに似合うわね!)

他にも、「好ましい」「ぴったりくる」と言いたいときの「合う」は「suit」が使われます。

Dose this wine suit your taste?
(このワイン、お口に合うかしら?)

この例文で使われている「suit」は「好ましい」という意味の「合う」です。

「似合ってる」の英語表現 その2

上で「~に似合ってる」という表現をしたいときの「合う」は「suit」を使うと書きました。 それは、間違いないのですが、実は「suit」はちょっと格式ばった言い方です。 普段は以下のような英語表現がよく使われます。 褒め言葉は、コミュニケーションアップに欠かせませんので、しっかり覚えておいてください。

You look good in the dress!
(そのドレス、似合ってるよ)

まとめ

「合う」を表す3つの単語「fit」「match」「suit」の使い分けを見てきました。 それぞれの持つニュアンスを理解していただけましたでしょうか。

まとめとして、「被服と人の関係」にしぼって使い分けを見ていきましょう。 これが分かると、それぞれの単語のイメージがつかみやすくなるはずです。

「fit」=サイズが合う、形が合う
「match」=物と物が調和して合っている。「人+物」では使えない。
「suit」=似合う。色や柄が合っている。
その場所や場面に「ふさわしい」という意味の「合う」で使うときは「fit」「suit」どちらも使える。

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