「remember」に関する問題

早速ですが問題です。

以下の文の空欄に「lock(鍵をかける)」を適切な形にして入れて下さい。

1. I remember (  ) the door.
(ドアに鍵をかけたの、覚えているよ)
2. Remember (  ) the door, ok?
(忘れずにドアに鍵をかけてね、いい?)

「remember」は、動名詞も不定詞も取れる動詞ですが、上のカッコ内にはそれぞれ、どちらかしか入りません。 ちなみに、今、分からなくても大丈夫です。 最後まで読んでいただければ、上記の空欄に何を入れればいいのかわかります。 それでは、はりきっていってみましょう。

目次

動名詞は現在・過去志向、不定詞は未来志向

動名詞と不定詞の名詞的用法は、単に「~すること」という意味だけを丸暗記しても使い分けできません。 まず、以下の大事な原則を覚えてください。

動名詞は、現在・過去志向であり、不定詞は、未来志向である

これは、不定詞で使われる「to」のコアイメージと照らし合わせると、簡単に納得できます。

「to」は「~へ」というように、到達する方向を示す前置詞です。 ですから、不定詞も動作の到達する方向を表すのです。

一方、動名詞は、現在の動作やこれまで経験してきた事(過去)の動作を表現します。

例えば、「want」「hope」「wish」など、これからの希望や願望を述べる動詞の後には不定詞が来るのは、とても自然なことです。

また、「finish」「quit」「give up」など、何かをやめたり諦めたりする動詞の後には、動名詞が来るのも理解できると思います。今現在や、これまでしてこなかった事をやめることは不可能ですから、未来を示す不定詞が来るのは不自然です。

では、ここからは本題に入ります。

動詞の中には、目的語に動名詞が来るか、不定詞が来るかで意味が違ってくる動詞がいくつかあります。 受験時代に丸暗記した方もいらっしゃるかもしれません。 でも、上の原則をちゃんと覚えておけば、丸暗記に頼らずともすんなり理解できるはずです。 これから目的語が動名詞か不定詞で意味が違う動詞をご紹介します。

「remember」に関する問題の解答

それでは冒頭の「remember」の問題の答え合わせをしたいと思います。 上の原則を使って空欄を埋めてください。

1の解答について
私はよく、車に乗って走り出してから、「あれ?ストーブの火消したっけ?」とか「鍵かけたっけ?」となって、不安になり、ときに引き返しそうになる事もあります。 でも大抵、息子や娘がちゃんと覚えてて教えてくれるんです。 そんなとき使うのが、1の文です。

1の文の空欄には動名詞「locking」が入ります。
「remember+動名詞」で「~した事を覚えている」という意味です。

1. I remember locking the door.

2の解答について
忘れん坊の母である私ですが、出かけるときには、親らしくこんなセリフを言います。

2の空欄には不定詞「to lock」が入ります。
「remember+不定詞」で「~する事を覚えている=忘れず~する」という意味です。

2. Remember to lock the door, ok?

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「forget+目的語」の2つの訳し方

「remember」が来れば、次は「forget」です。

上の「remember」と同様、以下の空欄に「mail(=手紙を投函する)」の動名詞または不定詞、どちらが入るか考えてください。

I forgot (  ) the letter.
(私は、手紙を投函するのを忘れた)

日本語訳の「忘れた」に引きずられ、「過去だから動名詞」としないでください。 動名詞にしてしまうと「私は、その手紙を出した事を忘れていた」という意味になってしまいます。 古~いラブレターとかを、相手から見せられた時なんかに、こんな心境になるかもしれませんね。

という訳で、上の問題の答えは、不定詞「to mail」が入ります。 「これから手紙を投函しようと思っていたんだけど、それを忘れてた」ってことです。

「forget+動詞詞」で「~した事を忘れる」
「forget+不定詞」で「(これから)~する事を忘れる」

「try -ing」と「try to-」の違い

ちょっとややこしいのが「try」です。 以下の2文のニュアンスの違いは分かるでしょうか?

3. I have tried blowing a peanut off the hole of my nose.
4. I have tried to blow a peanut off the hole of my nose.

3の文は「try+動名詞」で「(試しに)~してみる」、4の文が「try+不定詞」で「~しようとしてみる」という意味です。

従って、3の文は「僕、鼻の穴からピーナッツ飛ばしてみたことがあるよ」となります。実際にやった経験を表します。

4の文は、「僕、鼻の穴から、ピーナッツ飛ばしてみようとしたことがある」となります。 実際にやってみたかどうかは分かりません。(←お母さんに止められたのかも……)

「regret+目的語」の訳し方に注意

「regret」も「regret+不定詞」「regret+動名詞」で、かなり意味が変わってきます。 使い分けに注意してください。

I regret to say I cannot come.
(残念だけど、お伺いできません)
I regret saying that I cannot go with you.
(私、あなたとは一緒に行けないと言った事を後悔しているの)

「regret+不定詞」で「これから~する事を残念に思う(残念ながら~する)(残念ながら~と言わなければならない)」という意味です。

日本語で「残念ながら~」と話を切り出すことがありますが、そのときに使う決まり文句ですね。 「I regret to say~」以外に「I regret to inform you~(残念なお知らせですが~)」の形でもよく使われます。

一方、「regret+動名詞」で「~した事を後悔する」という意味です。

「stop -ing」と「stop to-」の違い

まずは、以下の二つの文の意味を考えてみてください。

5. I stopped calling him.
6. I stopped to call him.

5の文は「stop+動名詞」の形です。 これは「~する事をやめる」という意味です。

従って「私は、彼に電話するのをやめた」と訳します。

「ダイヤル~まわして~手をとめ~た~(by小林明子「恋に落ちて」)」って状況ですね(←「古くて分からん!」って方、ゴメンナサイ)

一方、6の文は、「stop+不定詞」なので、「~するために立ち止まる」という意味です。

従って「私は、彼に電話するために立ち止まった」と訳します。(←歩きスマホはいけませんからね。よい心掛けです)

ちなみに、「stop」は『「動名詞しか取らない=不定詞が使えない」』他動詞として扱われることがありますが、ちゃんと不定詞も取ります。 ただ、「stop」を「やめる」という意味で使う場合、不定詞は取らないというだけです。

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