位置を表す前置詞
「~の上の方に」を表す前置詞には「over」と「above」があります。
「~の下の方に」を表す前置詞には「under」と「below」があります。
ただ、いざ上記の前置詞を使おうと思った時に、「あれ?underかな?belowかな?」と迷ってしまうことも多々あるのではないでしょうか?
そこで、上記の4つの前置詞の違いと使い方をご紹介したいと思います。
「~の上の方に」を表す「above」
何かが、何かから離れて「上の方」にあるとき、一般的に使われる前置詞が「above」です。
「above」の核となるイメージは「ある基準点から、離れて上に位置する」
尚、必ずしも、「真上」であるとは限りません。
それでは例文を見てみましょう。素敵な恋人と歩いているところを想像してみて下さい。
Look! The first star of this evening!
(見て!一番星!)
Where? I can’t find it.
(どこ?見つけられないよ)
There! It’s above the mountain.
(あそこよ!あの山の上の方)
この例文では「山」を基準点として、その「上に」「離れて」あるので「above」が使われます。
もう1つの例文も見ておきましょう。
There is a picture above the TV.
(テレビの上方に絵がある)
「above」は「離れている」ことが前提となっているときに使う前置詞なので、絵がテレビの上に置いてあるわけじゃありません。
「絵は、額かなんかに入れられて、テレビの「上の方に」飾ってある」ということを表します。
尚、テレビに接触している(テレビの上に置いてある)場合はもちろん、前置詞「on」が使われます。
覆いかぶさっているのが「over」
上では「above」を紹介しましたが、「何かが何かと離れて上の方にある」場合なら、いつも「above」が使える訳ではありません。
何かが、覆いかぶさるように上にあるときは、「above」ではなく、「over」を使います。
overの核となるイメージは「(弧を描くように)覆っている」
There is a bridge over the river.
(川に橋が架かっています)
橋が川の上に、覆いかぶさるようにあるので、「over」を使います。
尚、「over」は川から離れていても接触していても使えます。 この部分が、「above」とは違うところです。
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「~の下の方に」を表す「below」
次は、「above」と対をなす「below」について解説します。。
「below」の核となるイメージは「ある基準よりも、下の方に」
「above」同様、真下であるとは限りません。
From the hill I could see the ocean below me.
(その丘からは、眼下に広がる海が見えました)
I was gazing the sun sank slowly below the horizon there.
(私はそこで、太陽がゆっくりと水平線の下へ沈んでいくのを眺めていました)
それぞれの風景を、しっかりイメージしてください。 広々とした風景が広がっていますよね。
「below」は「何かがあって、その下に」じゃなく、「ある基準点があって、その下の方に」というイメージであることをしっかり理解してください。
覆いかぶさっているものの下が「under」
それでは、「~の下に」を表すもう一つの前置詞「under」を見ていきましょう。
「under」は、基本的に何かが上にあって「それの下に」というときに使われます。
Look! There is a cat under the car.
(見て!あの車の下に猫がいるよ!)←猫って結構よく、車の下にいますよね…。
ここで、「under」と「below」の違いを見てみましょう。
1. I found your cat under the bridge.
(あの橋の下で、君の猫を見たよ)
2. I found your cat below the bridge.
(あの橋の下流の方で、君の猫を見たよ)
上の例文1の「under」は「上を覆っている橋の下に猫がいる」ことを表しています。
一方、上の例文2の「below」は「橋を基準にして、それよりも下(下流)に猫がいる」ことを表しています。
「upper」と「lower」は前置詞ではなく形容詞
さて、ここまでで「over」「above」「under」「below」の4つの前置詞について解説してきました。 実はこの4つの前置詞とよく似た意味の単語が2つあります。 それが「upper(「上の方の」)」と「lower(「下の方の」)」
尚、「upper」と「lower」は前置詞ではなく、形容詞なのですが、ここで「upper」と「lower」の使い方も一緒に確認しておきたいと思います。
「upper」や「lower」は、形容詞として何かと比べて「上の方の」「下の方の」と言うときに使います
Giraffe can eat upper leaves of trees because they have long necks.
(キリンは首が長いので、木の高い部分の葉を食べる事ができます)
上の例文で使われている「upper」は前置詞「over」「above」のように位置を表しているわけではないということを理解してください。
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