「~させる」以外の表現をマスターしよう

使役動詞は「使役動詞+O(目的語)+動詞の原形」という形で、「Oに~させる」という意味の文を作るときに使う動詞です。「make」「have」「let」の3つがあります。基本的な使い方は「make」「have」「let」の使い分けをご覧ください。

ですが、実は、「Oの後は、必ずしも動詞の原形とは限らない」のです。 混乱しやすいポイントなのでわかりやすく解説します。

「使役動詞+O+現在分詞(過去分詞)」になる場合

3つの使役動詞、それぞれについて、Oの後に分詞をとるかとらないかまとめると以下のようになります。

let・・・分詞をとらない。使役動詞として使われる場合、Oの後は必ず動詞の原形
make・・・過去分詞のみとる
have・・・現在分詞と過去分詞の両方をとる

それではそれぞれの動詞を見ていきましょう。

「make+O+過去分詞」

実はこの形で使われるのは、非常に限られています。 よく使われるのは、以下の3つの用法ですので、そのまま覚えておけば大丈夫です。

make oneself understood in 言語(Englishなど)
(~語で言いたい事を伝える)
make oneself heard
(相手に自分の声を伝える)
make + O + known
(Oを知らせる)

「have+O+過去分詞」

この形は、非常に重要です。 上の「make」の場合とは、わけが違います。 超頻出表現なので、しっかりマスターしてください。 自分の言いたい事を伝えるときにも便利な表現です。

「have+O+過去分詞」で受益(~してもらう)、使役(~させる)、被害(~される)など、様々な意味を表す事ができます 尚、この表現は「get+O+過去分詞」に置き換えることができます。

大切なポイントとして、Oの後に過去分詞が来ると、Oが過去分詞の意味上の主語になり、意味の上では受動を表します。 Oの後に動詞の原形(getの場合は「to 不定詞」)が来るときとの使い分けに注意してください。 まずは、どんなふうに使われるのか、例文を見てみましょう。 以下は日常会話で頻繁に出てくる表現ですので覚えておいてください。

How is my new hair style? I had my hair cut yesterday.
(新しい髪型どう? 昨日、切ってもらったの)

ここで1点注意。 上の「cut」は原形も過去分詞も一緒の形です。 もちろん、上の「cut」は過去分詞です。 「~してもらった」という「受益」の表現です。

なお、「I cut my hair.」とすると「自分で髪切ったの~」という意味になるので注意してください。

さらに、もう1つの例文を見てみましょう。

I will have a new dress tailored for my birthday party.
(誕生日パーティのために、新しいドレスを仕立ててもらうつもりよ)

「わ~、セレブな感じ~」私の日常会話には出てこない表現です(笑)。

はい、次の例文にいきましょ。

It’ disgusting! I had a wallet stolen in subway!
(もう最悪!地下鉄の中でお財布盗まれた!)

おぅ!セレブな世界からいきなり荒れた世になりました。 「have+O+過去分詞」はこの例文ように、「~された」という「被害」を表すときにも使われます。 受動の意味が一番強く表れる表現です。

最後に、使役「~させる」という意味で使われる例文も見てみましょう。

I must have the wall fixed before it snows.
(雪が降る前に、壁の修理をさせなくちゃ)

使役(~させる)、受益(~してもらう)、被害(~される)のどの意味になるかは文脈次第です。 尚、上にあげた3つの例文は、どれも「have」を「get」に置き換えるができます。

「have+O+現在分詞」

この形は、「have+O+動詞の原形」とほぼ同じ意味で使われます。 ただ、動詞の原形ではなく「現在分詞(-ing)」にすると、進行中というニュアンスが加わります。

My teacher had me playing the phrase until I mastered it.
(先生は、私がそのフレーズをマスターするまで引かせ続けた)

「ずっと、させ続けた」というニュアンスになります。

また、「have+O+現在分詞」の前に「can’t」を置いて、「Oに~なマネはさせないぞ!」という表現もできます。

I can’t have you dating the terrible man.
(私はね、あなたをあんなひどい男と付き合わせておくわけにはいかないわ)

「make+O+形容詞」は何て訳すのか

実は、使役動詞の「make」についてはもう1点注意しなければいけないことがあります。 それは、「Oの後に「動詞の原形」ではなく、「形容詞」がくると「make」の意味が変わる」ということです。 以下の例文を見てください。

You make me happy.
(あなたは私を幸せな気持ちにしてくれる)

この例文のように「O(目的語)=me」の後が、動詞の原形ではなく、形容詞が来た場合、「Oを~な気持ちにさせる」「Oを~の状態にする」という意味になります。 この場合、「嫌でも強制的に」というような意味は持ちません。 この「make+O+形容詞」は、超頻出表現ですから、ぜひマスターしてください。

尚、この表現では以下の例文のように「主語が人や生き物以外(無生物主語)」になることもあります。

The word made me sad.
(その言葉は、私を悲しい気持ちにさせた)

ちなみに、私は子供たちに頻繁に以下のように言っています。

Do you want to make me mad? (怒らせたいの?)

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