目的それとも結果 どちらの意味が適切なのか
so that構文を攻略する
「so that構文」。学校で英語を一通り習った人なら、「ああ、そんなのあったなぁ」と思い出すのではないでしょうか? 「確か、こんな使い方だったよな……」と、うっすら思い出せるかもしれません。 でも、そこで要注意です! もし、うっすら思い出せた用法が、一つだったら、「so that構文」の解釈でおもいっきり勘違いしてしまうかもしれません。
ではいきなりですが、問題です。
下の文を訳してみてください。
I ate it so that I would not have any regret.
正解は、「何も後悔しないように、私はそれを食べました。」
旅先かなんかでしょうかね~。 食べるか食べないか迷ったけど、「もう二度とこの食べ物に出会えないかもしれない!」と思って食べちゃったんですね。 これは、「目的のso that構文」なんて言われている用法です。 「~するために」と目的を表します。
さて、詳しい文法の解説はちょっと後に回して、第二問です。
I ate it, so that I regret that.
……どうですか?
「so that~」は目的を表すから、「私は後悔するために、それを食べた」???
なんて思ってしまった方、後悔するために食べるなんて……どんだけ自虐的なんですか!!
この文は、「私はそれを食べて、後悔している」と訳するのが正解です。 よほどまずかったのか、それともダイエット中だったのかもしれません。 ともかく、結果を表しています。
このように、同じ「so that構文」と呼ばれているものでも、目的と訳したり結果と訳したり、使い方が真逆なものもあるのです。 「どちらかの用法しか覚えてなかった」なんてなったら大変ですね。 では、この二つの見分け方、そして実はまだある、別の「so that~構文」はどのように見分ければいいのでしょうか?。
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so thatは4パターンある
目的のso that構文
目的のso that構文の一番の特徴は、that節の中でmay、can、willなどの助動詞が使われる事です。 上で上げた文をもう一度見てみましょう。
I ate it so that I would not have any regret.
ちなみにこの英文では「時制の一致」のため、willの過去形wouldが使われています。 「時制の一致ってなに?」っていう方は、「~って言ってたよ」を英語で言うをご覧ください。このページを読んでもらえれば、「時制の一致」はバッチリです。
また「目的のso that構文」のthat以下に語られる内容は、これから先の希望や可能性などが述べられるため、助動詞が使われます。 ただ、これらの助動詞は形式的に用いられているだけなので、日本語にするときは、あえて訳出する必要はありません。
I am studying hard so that I may pass an examination.
「私は、試験に受かるかもしれないから、そのために勉強しています」
なんて、まどろっこしい言い方しなくていいんです。 「私は、試験に受かるために勉強しています」でOK。 ちなみに、that節の中が否定形になると、冒頭で見てきた文のように「~しないように」の意味になります。
なお「目的のso that構文」は、口語ではよく「that」が省略されることがよくあります。 もしかしたら、この方がなじみ深いかもしれませんね。 ただ、書き言葉では「so」の方が省略されることのほうが多いです。 さらりと書きましたが、実は、これが結構トラップなんです。
I ate it so that I would not have any regret.
↓ ↓ ↓
I ate it that I would not have any regret.(soが省略)
soが省略されると、一見、関係詞の文のように見えてしまいます。 この英文を関係詞だと思い、that以下を、it(私が食べたもの)を修飾(説明)している文だと思ってしまうと、さぁ大変。 意味が全くわからなくなります。
そんなときは、「この英文は、so that構文のsoが省略されたものだ」と、思い出せるかどうか……。これが、非常に重要になってきます。 今、これを読んでくださっているあなたなら、きっと思い出せる!
結果を表す「so that構文」
結果を表す「so that構文」の最大の特徴は、「so that」の前にコンマが置かれる事です。 このコンマは、「前の文にかかってるわけじゃないぞ!」と、はっきり主張してくれているので、とっても分かりやすいですね。 上で見た文をもう一度見てみましょう。
I ate it, so that I regret that.
はい、ちゃんとコンマがありました。 ただ、会話中にはコンマは見えませんね。 そこは文脈、そして助動詞の有無で判断していくしかないです。 また、結果を表す「so that構文」も、soの後のthatはよく省略されます。
I ate it, so I regret that.(thatが省略)
結果を表す「so that構文」は頭から訳すようにすれば、簡単に意味が理解できます。
私はそれを食べた。そして(その結果)私はそれを後悔している。(上の例文の日本語訳)
程度、結果の「so~that構文」
さぁ、上の二つの用法に続き、新たに第三の「so~that構文」が出てきました。 「so」と「that」の間に「~」が入ってますね。 ここがミソです! この「~」に形容詞、あるいは副詞が入ると、「とても~なので」という意味を表します。 例文を見てみましょう。
She was so beautiful that I almost fell in love with her.
(彼女があまりにもきれいなので、私は恋してしまいそうだった。)
that以下は結果を表しているので、「結果のso~that構文」と呼ばれています。
実は上の例文は、もう一つ別のニュアンスがあるんです。 それは「彼女は、恋に落ちそうなほど美しかった」というもの。 これを「程度のso~that構文」といいます。
同じ文ですが、このニュアンスの差は大きいですよ。 もし、この人が妻帯者だったら、えらいこっちゃですわ。 「恋してしまいそうだった」と言いたいのか、「恋に落ちそうな程美しかった」と言いたいのか。 後者なら、ぎりぎりセーフだけど(奥さんによっては、セーフじゃないかも?)。
では、どちらで訳せばいいのでしょうか? それは文脈で判断するしかありません。 ですから、「結果と程度」の両方の意味がある事を、しっかり覚えておいてくださいね。でないと、読み違えてしまう可能性があります。
ここでもう一つ、注意点です。「結果、程度を表すso~that構文」で、soとthatの間に入るのは形容詞と副詞に限られ、名詞は入りません。 名詞を入れるときは、soではなくsuchを使います。 「so~that構文」ならぬ「such~that構文」ですが、ここで一緒におぼえちゃってくださいね。
上の文は以下のように書き換えられますよ。
She was such a beautiful girl that I almost fell in love with her.
状態を表す「so~that構文」
最後に登場するのは、「~になるように」という意味を表す「状態のso~that構文」です。
例えは、以下のように使います。
The book is so written that it excite children.
(その本は、子どもたちをワクワクさせるように書かれています。)
意味は、前から順を追って考えていけば簡単ですね。 まず、「その本はそんな風に書かれています」。 ではどんなふうに書かれてるかというとが、that以下がその説明になってます。「子どもたちがワクワクするように」ですね。
3番目に紹介した「結果や程度のso~that構文」との見分け方は、soとthatの間に過去分詞が入る事です。 そして、こっそり付け加えますと、この「状態のso~that構文」は、あまり見かけません。圧倒的に「結果や程度」で使われる方が、多いです。
まとめ
「so that」のthat以下にwill、can、mayなどの助動詞が使われていたら「目的」
「so that」のsoの前にコンマ(,)があったら「結果」
「so」と「that」の間に、形容詞、副詞があったら「結果」か「程度」
「so」と「that」の間に、過去分詞が入っていたら「状態」
いかがですか? これらの使い分けは、もうばっちりですね!
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