「作る」という意味だけではない
「make」と言えば、真っ先に思い浮かぶのが「作る」という意味ではないでしょうか? もちろん、「make」には「作る」という意味がありますが、「作る」という意味だけ知っていても「make」は使いこなせません。 そこで、まずは「make」のコアイメージを理解してもらい、その上でどうやって使えばいいのかを説明したいと思います。
コアイメージをつかもう
早速ですが、「make」のコアイメージから説明します。
「make」のコアイメージは「何かに対し、何かの力や働きを加えることで形を変え、なかったものを存在させる」
「make」は「なかったものを存在させる」ことなので、まさしく「作る」もその一つです。 ですから、「make」=「つくり出す」というイメージが真っ先に思い浮かぶのです。
ただ、「作る」というと、何か「モノづくり」を連想させますが、「make」のもつ「何かの力や働きによって、そこになかったものを存在させる」というイメージは、「モノ」以外のものにもひろ~く広がっていきます。 ぜひ、それを感じながら、これ以降を読んでください。
「made of~」と「made from~」の違い
「make」の持つ大きな意味の一つは「作る」ですが、「~で」作ると言うときには前置詞が注意です。 そこで、日常英会話でよく使われる「made of~」「made from~」「made with~」についてご紹介します。
まず、「made of~」は、材料や素材が目に見えてわかるもののとき使われます。
The shelf is made of wood.
(その棚は木製です)
一方、「made from」は、材料や素材が変化して分からなくなっているときに使われます。
Cheese is made from milk.
(チーズは牛乳からつくられます)
上記の二つとはちょっと意味合いが違ってくるのが「made with」。「made with」は「作るために使った道具」を表したいときに使います。
I made this shelf with circular saw and electric drill.
(私はこの棚を、丸のことと電動ドリルを使って作りました)
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「~する」は「do」だけではない
突然ですがとっても大事な話。
「~する」と言えばどんな動詞が思い浮かびますか? 「~する」と言えば「do」が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか?
ただ、「~する」という表現で、いつも「do」が使われるわけではなりません。 実は、「~する」で「do」が使われる割合は低いのです。
では「~する」という表現でよく使われる動詞は何か? それが「make」なのです。
例えば「約束をする」は英語で何て言うのか?
「約束をする」は「do a promise」?それとも「make a promise」?
ここで、上で説明した「make」のコアイメージを思い浮かべてください。 「make」のコアイメージは、「何かに対し、力や働きを加えて形を変え、そこになかったものを存在させる」でしたね?
「約束」とは、「何らかの状態に対し、当事者間で話し合って(=何らかの働きを加える)、作り上げるもの」です。 ということは、「do」ではなくて「make」を使うんです。
「約束をする」=「make a promise」
それ以外に、「~する」と表現したいときに「make」を使う場合をご紹介します。
make a mistake(失敗する)
make a decision(決断する)
make an appointment(予約する)
make an excuse(言い訳する)
上の4つをよくみて下さい。
どれも「何かしらの力の働きかけ」があり、その結果「そこに存在するようになった」ものです。
ということは、「うたたねする」というような場合、「make a nap」とは言いません。 なぜなら、「うたたね」には、なんの努力も働きかけも必要ないからです。
「うたたねする」=「take a nap」
使役動詞の「make」
「make」は使役動詞として使われることもあります。 「make」を使役動詞として使うときは「make+人+動詞の原形(または形容詞、名詞)」=「人に~させる」という形で使います。 尚、使役動詞についてもっと詳しく知りたい人は「make」「have」「let」の使い分けもご覧ください。
My man made me wash the dishes.
(お母さんは僕に皿洗いをさせた)
上の例文は、「僕は本当はお皿を洗いたい気分じゃなかったけど、お母さんの「説得」や「強制」など、何らかの力で皿を洗わせた」ということです。
尚、「make+人+動詞の原形」の「人」の後に「動詞の原形」ではなく「形容詞」が入ることもあります。
The letter made me happy.
(その手紙は私を幸せな気分にさせてくれた)
この例文は、「手紙の力で、元々そこになかった「happy」が私の中に現れた」ということです。
また、「人」の後に「名詞」が入ることもあります。
Brian Epstein is a man who made The Beatles a star.
(ブライアン・イプシュタインはビートルズをスターにした男です。)
この例文では「ブライアンが、彼らの日常生活にまで細かく、厳しく目を光らせて(ビートルズに働きかけをする)、ビートルズをスターにした」ことを表すために「make」を使っているのです。
このように、「make+人+~」(「人を(に)~(に)させる」)は日常英会話でも良く使いますので、ぜひマスターしてください。
「思う、考える、解釈する」
今度は、ちょっと馴染みの薄いかもしれない「make」の使い方を紹介します。
会話の途中、以下のように言われたら、何て答えますか?。
What do you make of this?
まず、上の例文を「あなたはこれで何をつくりますか?」という意味に解釈した人はいますか?。 実はこの例文は、ものづくりや料理とは一切関係のない場面で使われることが多いはずです。
正解は「あなたはこれをどう思いますか?(どう解釈しますか?)」です。
上の例文の『「this」があなたに、何か働きかけ、あなたの思考や感情の中にこれまではなかったもの(考え、解釈など)を作る出している』と考えてください。 つまり、上の例文の「make of」は「思う、解釈する、考える」という意味になります。
What do you make of Donald Trump?
「トランプ大統領をどう思う?」
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