「have」や「get」との違い

今回は基本動詞「take」を見ていきましょう。

「take」と言えば「取る」や「持っていく」というイメージがあるかもしれません。 でも、この意味だけを覚えていても、なかなか「take」は使いこなせないでしょう。

「take」を含めて基本動詞全てに共通していえることなんですが、動詞の核となるイメージをしっかりつかんでおけば、どういう場面で「take」を使うことができるかを理解できます。 なので、まずは「take」の核となるイメージから理解するっことからはじめましょう。

takeの核となるイメージは「そこにあるものを自分の意志で、取る」
さらに+αとして、「選び出して取る」というニュアンスが付け加わることもあります。

「take」の核となるイメージは上記のとおりです、日本語の「取る」という言葉とかぶっているところが多いので、イメージしやすいかもしれません。

例えば、手に「取る」、写真を「撮る」、財布を「盗る」、ネズミを「捕る」、場所を「とる」はすべて「take」で表すことができます。

ただ、「take」は他の基本動詞「have」や「get」と似たところがあり、どれを使ったらいいか迷うことも多々あります。 そこで、「take」と「have」や「get」の違いをお話しします。

まずは、「take」と「have」との違いから見ていきましょう。

一番の大きな違いは、「have」は状態を表す動詞で、「take」は動作を表す動詞だということです。

次に「take」と「get」との違いを見てみましょう。

まず、「get」と「take」はどちらも動きを伴う動詞です。 そのため、「どっちを使ってもいい」という場合もよくあります。

I got a ten-day holiday.
I took a ten-day holiday.

この2つの例文はどちらも、「10日間の休暇を取った」という意味です。

あえて違いを言うなら、「take」を使った例文のほうが「自分の意志で、自分が選択して」という意味合いが大きくなるということです。

ただ、上記の2つの例文のようにいつでも置き換えできるとは限りません。

例えば、「かぜをひいちゃった」と言いたいときは、「I got a cold.」とは言えても、「I took a cold.」とは言えません。

「take」は「そこにあるものから」「自分の意志で取る」という大前提があるときに使えます。「かぜは自分の意志で、ひくことはない」ので「take」より「get」のほうが合っていると言えます。

このように、「自分の意志が伴わない動きには「take」は使えない」ということを、覚えておいてくださいね。 ただし、無生物主語の場合はOKです。無生物に意思はないからです。

では引き続き、「take」の使い方を見ていきましょう。

目次

「取る」という意味

インフォメーションセンターなどでよく使われる例文。

Please feel free to take one.
(どうぞご自由にお取りください)

「チラシでも、割引チケットでも、ひょいっと、手に取っていっていいんですよ」ということです。

また以下のようにも使えます。

I took my son’s hand.
(私は息子の手を取った)

このように「ひょいと、手に取る」は「take」の一番中心となる意味です。

写真を「撮る」

写真を撮るは、もうおなじみ「take a photo(picture)」です。

I took a lot of photos of sunrise during the trip.
(私はその旅行中、日の出の写真をたくさん摂りました)

「自分の意志で目の前の風景などをカメラの中に収める」ということなので「take」が使えます。

「盗る」や「捕る」という意味でも使える

I was taken the wallet with cards and cash in a subway.
(現金とカード類の入った財布を地下鉄で盗られました)

However, the wallet was restored to me because the police took the thief.
(しかし、警察がその泥棒を捕まえてくれたので、財布は私の元に戻ってきました)

このように「盗る(ぬすむ)」「捕る(つかまえる)」でも「take」でOKなんです。

もちろん、「steal(盗む)」や「arrest(逮捕する)」などの単語もありますが、これらの単語の代わりに「take」も使えるということを覚えておいて損はないはずです。

何かを「取得する」

「取得する」という言葉の中は、「取る」という漢字が入っています。 様々な「取得する」場面で、「take」が使えます。

例えば「学位を取得する」は、「take a degree」です。

他にも、「熱を測る」は「take one’s temperature」です。

これは、温度という情報を「取得する」ということです。

たくさんの中から「選び取る」

I am thinking about whether I will take that class or not.
(そのクラスを取るかどうか、考え中)

たくさんある中から選び「取る」の「take」です。

「take」はこのように、選択のニュアンスを伴うことも多いです。

他にも、ケーキ屋さんでショーケースに並んだケーキを注文するときにも使えます。

I’ll take one cheese cake and two millefeuilles.
(チーズケーキ一つと、ミルフィーユ二つ下さい)

「たくさんの中から、私はこれを選んで自分のものにします」ということです。

尚、選択肢が一つしかない場合は、「take」は使いません。 その場合は「I’ll have ~」などの表現を使いましょう。

「移動手段」を表すときにも使える

「take」は移動手段を示す動詞としても使われます(「移動手段として~を取る」=「~に乗っていく」)。

What will you take to Tokyo ?
(東京まで何で来る?)
We’ll take an airplane.
(飛行機でいきます)

「色々な選択肢の中から」飛行機を「自分たちの移動手段に取ります」と考えましょう。

また、「電車(タクシー、エレベーター)で行く」は「take a train(taxi, elevator)」となります。

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「take it easy」について

「Take it easy.」

日常でよく使われる表現です。 聞いたことある方も多いでしょう。

「気軽にいこうよ」という意味で使われますが、これも「状況を気楽に受け取ろうよ」ってことなので「take」が使われます。

上の例文と同じような使い方の「take」をもう1つ見てみましょう。

Don’t take it serious.
(そう深刻に受け取るなよ)

ムキにならないで欲しいときに使います。

薬、サプリなどを摂る

Take this medicine twice a day.
(この薬を一日二回服用してください)

尚、「甘いものを摂る」という時も「take」が使えます。

It is not good for your health to take sweets too much.
(甘い物の摂り過ぎは、体によくありませんよ)

ただ、この「take」はちょっとかしこまった言い方になります。 従って、日常会話で使う「食べる」には「take」は使わず、「eat」を使います。

~するのに時間がかかる

「場所を取る」、「時間がかかる」、「労力を要する」は全部「take」で表せます。

突然ですが、先日、夫がどデカい座椅子を買いたいと言い出したんです。 ソファみたいにふっかふかで気持ちよさそうだけど……、 私は大いに反対しました。 そのときに私が言ったセリフです

This is because it takes too much space.
(だって、それ、場所を取り過ぎるから)

ちなみに、上の例文で使われている「This is because」と紛らわしい表現として「this is why」があります。 「This is because」と「this is why」の使い分けはできますか? もし、「This is because」と「this is why」の違いがわからないなら「this is why」と「this is because」で復習しておいてください。

It took no less than three hours to clean all over the house.
(家中を掃除するのに、3時間もかかった)

チケットや席を取る

切符や席を予約して「取る」ときも「take」が使えます。

I took two tickets of Lion King.
(ライオンキングのチケットを2枚取ったよ)

Can I take the private compartment on a sleeping car?
(寝台車の個室は取れますか?)

新聞を取る

I take The Asahi Shimbun.
(私は朝日新聞を取っています)

「複数の新聞の中から1つの新聞を選び取る」ということです。

「持っていく」「連れていく」

最後になりましたが、「持っていく」「連れていく」の「take」を見ていきましょう。

You should take an umbrella with you.
(傘を持って行った方がいいよ)

ちなみに、「You should take an umbrella.」だと、「傘をひょいっと手に取る」ところまでを表しているようで、どうも物足りなません。

そこで、「手に取った」後に「そのまま一緒にしておく」という付帯の「with」を使って「with you」を付けるほうがいいです。

I’ll take you to the zoo tomorrow.
(明日、動物園に連れてってあげる)

「ひょいっと自分の手元に取り込んで、動物園へ」から「連れて行く」となります。

尚、「持っていく」「連れていく」の「take」は無生物を主語にもできます。

Country Rords take me home.
(この田舎道を行けば、家にたどり着く)

ジョン・デンバーが歌う名曲「カントリーホーム」のサビの部分です。 直訳すれば、「田舎道が、僕を家へと連れていく」となります。

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